お米は、薬にもなる?

気づけばもう11月。年の瀬もすぐそこ。

秋が深まり、日に日に冷えこみが強くなってきました。これを書いている今(11/10朝6:42)、小さなランプをつけながら、クシュンとくしゃみが出ています。

秋の作物も収穫のピークを迎え、新米の季節もやってきました。ムムポンドも、カレーに合うお米を模索する中で知った「お米は薬にもなる」というお話を…

お米の成分が薬として採用されているのは、漢方の世界で

普段たべているお米(うるち米)の玄米を、生薬の世界では、粳米(こうべい)、おもちのモチ米は糯米(じゅべい)と呼びます。(以下、普段の粳米を「お米」と書きます)

『名医別録』(お医者さん向けの生薬図鑑)によれば、お米の作用は「味,甘,苦,平,無毒。気を益し,煩を止め,洩を止める」効果があるとされ

たとえば、清熱剤の「白虎湯」や「竹葉石膏湯」や、虚弱体質者の長引く咳に使われる「麦門冬湯」に処方されています。

お米は、他の生薬と比べ、中を和して胃を養う、つまり滋養強壮の働きがあるので、漢方の配合に採用されているようです。

中国のお医者さんの中には、お米は、産地と収穫時期によって薬にならない、という人もいます。たとえば、同じ9月のお米でも、北の方で獲れたお米は薬になるけど、南の方で採れた8月の米は、涼(薬用)にはならないなど…(漢方の沼、奥が深い…)

(ここから下、体から出てくるものの話なので、お話し中・苦手な方は飛ばしてください)


ちなみに、糯米(もち米)は「熱多く大便を堅くする」

つまり中医学的には、「腸が乾燥してうんちが硬くなるから、便秘ぎみでウサギのようなコロコロうんちの人は、お餅たべすぎないでねー」と言われています。

中国では、もち米は温だから、小児(熱)や老人(陰が虚して腸管に熱を持ちやすい人)にはよくない、と言われていたり

韓国では、逆にこの作用を利用して、虚弱や冷えからくる下痢に、もち米の粥を食べさせる風習もあったそうです。

・ふつうのお米(粳米)にも下痢止め効果はある
・もち米(糯米)はその作用が特に強い
・胃腸が弱い人には、もち米(糯米)は粘滞質だから消化しにくい
・お米は、元々は「平」という性質だから、毎日食べられて万人向けだった
・でも胃腸が丈夫で肥満ぎみの人は食べ過ぎちゃいけない
(日本人の感覚とも馴染みやすい感覚ですね)

などなど…お米一粒とっても、中医学の沼は深し…です。

それにしても、お米にも薬効がある、とすれば…今後カラダに良い日本酒も増えてくるかも?(のんべえヨメポンドの妄想)

↓たまたま見つけた動画。昔から今の、米の品種ランキングの変化が見れて面白いです。(ヒノヒカリの猛追がすごい)

ムム夫婦が幼い頃は、お米といえばコシヒカリでしたが、今はひとめぼれ、ヒノヒカリなど、色々ありますね〜 カレー屋としては選択肢が広がり、嬉しい今日この頃。

ムムポンドのカレーは、家族で10年食べても安全な一皿を目指して、作っています。お米ひとつぶとっても、血糖値をあげるからダメなのか、玄米だったらいいのか、玄米の発芽毒はどうなのか…

西洋医学も東洋医学も日進月歩で、何がいい悪いは、日々変化するものですが

まだまだOPEN数ヶ月で、知識が足りないので、メタアナリシスに基づく西洋医学書を読んだり、東洋医学の入学資料を取り寄せたり、日々時間を作っては学んでいます。

色々な知識を吸収しながら、自分たちなりの「正解」を日々アップデートしつつも、決してそれを人に押し付けることなく、自由で楽しい食卓を彩れたらなぁと思っています。

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