化学調味料は、悪なのか 

「砂糖、小麦粉、化学調味料を使わないカレーを作っています」と謳っているので、化学調味料が嫌いなのだろうと思われがちです。

化学調味料(砂糖、小麦粉についてもそうですが)、僕は化学調味料が嫌いというわけではありません。前職は食品卸会社で、大手チェーンのメニュー開発提案などしており、人より少し、添加物に身近にいたからかもしれません。

そもそも、世の中で定期的に訪れる「△△はダメ」「◇◇は危ない」といった情報の中には、事実の一部だけを切り取り、「ウソではないけど本質でもない」巧みな表現のものも少なくありません。

たとえば昔あった「マーガリンはトランス脂肪酸が危険」説が広がった時。
取引先からも様々な問い合わせがありました。「御社のマーガリンの、トランス脂肪酸はゼロですか?」「お客様にどう説明すればいいですか?」「マーガリンをバターに変えたいんですが…」

昔のマーガリンと今のマーガリンでは、トランス脂肪酸の含有量が違います。バターを混ぜているか、植物性100%かによってもトランス脂肪酸の含有量は変わります。そもそも元ネタとなった論文はアメリカのもの。パン食文化の消費量と、日本での消費量も異なります。

我が家にマーガリンはありませんが、それはほとんどパンを食べないから、柔らかい油脂が必要ないだけです。

僕は感覚派なので疎いのですが、追求型の妻は、世の風説を論文で調べるクセがあります。でもその論文すら、利権が絡んだデキレース研究もあり、コホート研究や、ランダム化比較試験でないと信頼性に乏しいそうです。

もしトランス脂肪酸を避ける目的が「病」「死」であるならば、少量のトランス脂肪酸を避けるより、咀嚼回数を増やした方が手っ取り早いかもしれません。1日に笑う量を2倍に増やすのが有効かもしれません。

ムムポンドで化学調味料を使わないのは「化学調味料を使わずに、美味しく感じるものを作る技術を磨きたいから」です。

店を始める前、試作のしすぎで何か美味しいかわからなくなってしまい、迷路に迷い込んでいた時。あるイタリアンの先輩が「もっと引き算で考えてみなよ」とアドバイスをくれました。

結果、油を使わないカレーが美味しかったり、欧風カレーに鶏ガラを使わない方が美味しいと感じたり、色々な学びがありました。

(油を使わないカレーを作った理由は>>なぜ、無油カレー?キッカケはラーメン二郎

料理を美味しくする方法は、足し算、引き算どちらもあります。僕の場合は、まだ知識も技術もないので、必要最小限のパズルのピースで、よいものを作る修行中です。

食に限らずですが、人それぞれ、ポリシーや正義があります。少なくとも僕のカレーでは、油がどうとかよりも、自由に楽しく楽しんでいただけたら本望です。

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